家庭の崩壊するとき・・・ 『夜光観覧車:湊 かなえ』を読んだ
自分の人生は想像以上に思い通りにいったのではないか、
と思えた期間は、果たして一年あっただろうか。
告白の映画化で話題の湊かなえの新作、
「夜光観覧車」を読んだ。
このヒトの作品なんだかんだで全部読んでるけど、
「Nのために」、「贖罪」などと同様に、
やはり「告白」インパクトはない。
(もちろんそれでも面白いんだけど。)
今回も人間のルサンチンマン(怨念)を
作品の中でうまく(醜く)表現していると思う。
今回も人間のルサンチンマン(怨念)を
作品の中でうまく(醜く)表現していると思う。
それぞれの家庭が抱える問題、
子供、親、近所づきあい、見栄。
裕福に見える家庭も、崩れるときは崩れる・・・。
娘の暴力に苦しむ主人公、
そして、それがトリガーとなり発生する事件。
そしてそれに関連する人々。
それらの歪曲した怨念がみにくく、
ぶつかり合う。
家庭を持つことに夢をみて、
それが崩れかける瞬間。
それを本書で読むことができる。
結局人は、誰かと自分の人生を比べたがる。
そしてそのなかで、
優越感に浸ったり、安心したり、ルサンチンマンを抱いたりする。
結局は、人と比べることでしか、
自分を評価することができないそんな生き方が、
どうなのかと思う。
ジャパネットの社長が こんなことをいっていたと聞いた。
人とくらべるのではなく、 昨日の自分とくらべることだ。
そうすれば、
人をうらやましく思ったり、
嫉んだりすることがなくなると。
嫉妬や、嫉みがもたらす行為は醜い、
それは本を読んでいてもそうだし、
自分自身の行動や、他人の行動を振り返ってもそうだ。
人間はそんなに強くないといって、
否定することもあるだろうけど、
でも強くならなきゃいけない。
醜い生き方をしないために。
別にかっこいい生き方がかっこいいわけじゃない。
ただ、醜い生き方はしたくない。
なんだか、この本を読んでいてそう思った。
自分はまだ家庭を持っていないから、
そこまでわからないけど、
家庭を持っている人が読むと、
また違った考えが生まれる本なんじゃないかなと思った。
むしろ、家庭を持っている人、家庭をこれから持つ人が、
反面教師として読むといい本なのかな。