臓器提供仲介人と自殺志願者の物語:『KAGEROU』を読んだ。
「死にたい」って、裏を返せば「生きたい」ってことなんだよね。
死にたい気持ちが強いからこそ生きたい気持ちも強くなる。
朝、母親からメールで、
「実家の近くで購入できないかもしれないから、買っといて」
と頼まれたので、英会話のあとにすぐに開店直後の本屋に行き、
「KAGEROU」を購入。
2000万円の賞を受賞したというバイアスがあるので、
なんとも感想が書き辛い。
正直、ネガティブな感想しかでてこない。
でも、そのバイアスを極力殺して、
感想を書こうと思う。(結局無理だったけど・・・。)
物語は、
自殺をしようとしていた主人公の前にあられた、
裏社会の臓器提供仲介人との出会いによって始まる。
自身の命、臓器と引き換えに莫大なお金をもらえるという取引を、
主人公は受け入れた。
が、実際の死を前に、
主人公にさまざまな葛藤が生まれることになる・・・。
内容はシンプル。比喩もシンプル。
普段、小説をあまり読まない人は、
このシンプルさが、楽しめるかもしれない。
ただ、
他の作者のすばらしい小説を読んでいる人にとっては、
ちょっとものたりない感じはしてしまうかもしれない。
自分は、この本を読んで、
命について考えることもないし、感動することもなかった。
読んでいる途中で、少し面白いなと思ったかもしれない。
まぁ、かといってこれだけの文章の小説を
自分が書けるかというとそれは無理な話なので、
あまり批判はできないけど・・・。
サクっとすぐ読める小説が読みたいなと
思っているなら読むといい本かも。(そうなると1400円は高いな・・・。)