予想できないラスト。あるバンドマンの物語 「ラットマン:道尾 秀介」を読んだ。
個性ってのはさ、何かを一生懸命に真似しないと、
手に入れることなんて絶対にできないんだよ。
はじめから独自のものを目指そうったって、そんなの上手くいくはずがない。
音楽だって、絵だって、人生だってそうさ。
「ラットマン」を読む。
この著者の作品、
以前に読んだ作品も、こうきたかって感じだったけど、
今回も予想を超える内容だった(自身の予測が浅いだけかもしれないけど・・。)
過去に身内の中でのトラウマがある、
バンドマンが物語の主人公。
そして、その主人公の恋人がスタジオでの練習中に殺されることとなる。
恋人を殺したのは、主人公かそれとも・・・。
物語が進むにあたり、今回の事件と、
主人公の過去のトラウマとの類似性があきらかになってくる。
主人公の過去の内容や、事件の真相など、
個人的にさまざまな予想をたてたが、 ことごとく自分の予想ははずれていた。
あっ、こうくるんだ。 という意外性。
それが読んでいて非常に面白かった。
この著者の作品はまた読みたいと思った。
最初に引用したフレーズは、読んでいて、
とくに心に残ったフレーズ。
最初は、猿真似でいい。
そのあとで、マネした人間を超えていけばいいんだ。
一生懸命に真似をすれば、その人の本当にやりたかったことがわかる