衝撃的なラスト!?:『悪の教典:貴志 祐介』を読んだ。
人間の心には、論理、感情、直感、感覚という、四つの機能がある。
そのうち、論理と感情は合理的機能、直感と感覚は非合理的機能と呼ばれている。
合理的機能には、刺激と反応の間に明確な因果関係があり、非合理機能は、
次に、どういう動きをするか予測が付かない。
つまり、感情の動きには、論理と同様に、法則性があるということだ。
貴志 祐介の悪の教典を読んだ。
これは面白い!
上巻は、下巻のための前フリで、
下巻で内容が一気に展開する。
天才だが共感の感情を持つことができない主人公。
序盤では、誠実な教師である主人公が、
いかにして乱れた学園を建て直すかを描く作品なのかなぁと
思わせつつも・・・。後半では・・・。
こういう作品をよんでいると、
自分自身の倫理の感覚がくずれ、
悪である、主人公が善であるかのように、
思えてくるから不思議だ。
不要な人間は排除(パージ)する。
それが合理的に思えてくる・・・。
人の心理を見抜き、人の特性を巧みに利用する、
主人公のコミュニケーションが読んでいてとても面白かった。
共感をする力というものがどれだけ大切か?
それを失えば何ができるのが?何をしてしまうのか?
そんなことが見えてくる作品。