野生の勘をもつということ 「勝負師と冒険家」を読んだ。
運はつかむものじゃなくて、運に選ばれるのだ
将棋のプロ棋士である羽生さんと、
世界でヨットレースで活躍する海洋冒険家の白石さんの
対談をまとめた本を読んだ。
東洋経済新報社
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外で戦う白石さん、中で戦う羽生さん、
一見、フィールドがまったく違う舞台で戦っている、
2人にも考え方の共通点のようなものが見られて面白かった。
不利なときのほうがかえって気楽という面はあるんですね。
不利はもう不利なことは確かなんで、しょうがないって開き直れる。
お互いに不利なときのほうが気楽だという、
不利な状況だからこそ、できることがあるということかな。
だからこそこう考えられるんだろうな。
負けたときというのは、絶対に原因があります。
必ず自分自身の中に、ミスがあります。
それはもう、運が悪かったとか、そういうことじゃないんです。
明らかに自分の責任です。
こういうふうに自分のミスを認められる人間って、
きっとすくないんだろうなぁ。
羽生さんは今の時代を高速道路にたとえている。
近道のできる高速道路がたくさんできて、
みんな高速道路に乗りたがる。
でもみんなが高速をつかうから、渋滞もおきたりして、
結局、一般道から進んだひとのほうがいいときもある。
ただどちらが良いかは、羽生さん自身もまだ結論がでていないらしいw。
これはたしかにケースバイケースだろうな。
どっちがいいかは場合による。
一番の攻めどころでは勝負勘というか、
自分を信じるということ。
それが将棋とヨットとの共通項なんだと思います。
大事なことだよなぁ。
自分を信じること。
マイナスだとかって思うときとかは、
だいたい目先のことしか考えていないときが多いんで。
これは、たしかにそうだと思う。
目先のことだけにとらわれてると 失敗することは多々ある。
全体を俯瞰してみていかないと。
そして、特に印象にのこったのはここ。
子供達はそれが悩みなの。
何もかも与えらられることに悩んでるんだよ
動物園の檻に入れられ、
野生の勘をうしなったライオンのように、
いまの子供たちは、モノにあふれ、なにもかもあたえられて、
自分の力で道を切り開く必要がない。
だからそこが悩みになると。
一見楽そうにみえて、大人はうらやましがるけど、
逆にそれが悩みになっている、ということは読んでいて気づかされた。
それぞれの道を極めようと考える男2人の、
ストイックな考え方が伝わってくる本でした。
私には、自分の想像していない姿になっていたい、
という願望が常にあるんです。