目をつぶると仏像が見えてくる「骸の爪:道尾 秀介」を読んだ。
けっきょく人間なんてみんな、もぐらみたいなものなのかもしれない。
相手のほんとうの姿なんて見えないまま、暗い中を鼻先で探り合って、
爪の先であちこち土を掻いて、なんとなく上手い事生きて――
読んでいる途中、目をつぶると、
仏像の顔を浮かんできて、背筋が怖かった。
でも、面白くてつい読んじゃうんだけど。
仏像を作る工房が舞台のお話。
この場所で過去に起きた事件がもとに、
「背の眼」でも活躍した(自分はまだよんでないんだけど・・・。)
主人公が、心理現象に近い謎を論理的に解明していく。
この作品、読んでいて京極堂を思い出した。
でも京極堂よりもすっきりして、読みやすい。
論理的な要素は京極堂のほうがつよいかな。
とはいえ、この作者独特の怖さなのかな。
そんな描画は健在。読んでてゾクゾクする。
結末も・・・。
夜中にトイレにいけなくなっても、いいなら読むといい本かもw
(別に心霊現象の本ではないけど。)