今年一番面白かった本 「ダークゾーン:貴志祐介」を読んだ
不利なときほど積極的に前にでなくてはならない。
恐怖心を克服してせめなくてはならないんです。
クリーンヒットを貰ったボクサーが、怯んで後ろに下がったら、
コーナーに追い込められて連打を浴びるのがオチでしょう
ダークゾーンは、
今年、読んだ本(と言ってもまだ2ヶ月だけど…。)の中で
一番面白かった。
そして、一つ目の怪物からその異空間で
行われるゲームのルールを聞かされ、
自身が赤のキングとなり、青のキングを倒すさなければいけない事実を知る。
そのゲームはリアルな空間で行う将棋やチェスのようなものであった。
バケモノに変化を遂げた知り合い達は、
じつはそれぞれが、キングを守りキングのために戦うコマであり、
それらのコマを屈指し相手のキングをうつ。
見方・相手に割り振られたそれぞれコマの強み・弱み、
プロモーション(レベルアップ)など、
ゲームには、細かいギミックがいろいろと仕込まれており、
バトルには、将棋やチェスと同じように
戦略・戦術が非常に重要になる。
将棋の準プロである2人のキングの、
さまざまな戦術を屈指したバトルが、
読んでいて非常に面白く、読み始めたら止まらなくなった。
設定は、すこしクリムゾンの迷宮に似ているけど、
クリムゾンの迷宮は、現実の世界の世界での出来事だったのに対し、
本書は、ダークゾーンと呼ばれる非現実での空間の話なので、すこし違う。
内容的には、
「新世界より」+「クリムゾンの迷宮」って感じかもしれない。
この2冊にハマったひとはもちろん、
それ以外の人も楽しめる作品だと思う。
将棋とは違い、どんな好手や巧手も、相手の応手次第では
裏目に出る可能性がある。そのために、
考えれば考えるほど、互いに手が出しづらくなり、
前局の様に膠着状態に陥るケースが多いのだ。