もし、生きる目的が決まっていて生まれたら「わたしを離さないで」
人の考えや感情はあちらに行き、こちらに戻り、変わります。
あなた方は、変化する流れの中のいまにうまれたということです。
カズオ イシグロの「わたしを離さないで」を読んだ。
読んでいるときは、あまり感じるものはなかったけど、
読み終えてしばらくたってふと感じるものがある。
早川書房
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主人公たちは、ある施設である使命をはたすために生まれた。
その主人公が自身の生きる意味を知ったとき、
どんな行動にでるのか・・・。
読み終えて感じたこと、それは、
生きるための目的も意味も、生きられる期限も決められて生きている。
それは意外と幸せなことなんじゃないか? と思ってしまった。
読んでいるときは、主人公たちを
不幸な主人公としかみることはできなかったけど、
読み終えてしばらくたってみると、
考えに変化が起きた。
そもそも、多くの人間は、この小説の中の主人公とは違って、
生きる目的も、生きる意味もなにも決まっていなくて、
自分自身で見つけ出すことができる。
そんな自由をもっている。
でも、自由っていうのは、責任と隣りあわせで、
生きる意味・目的をさがす責任をいつも背負いながら
生きていかなければいけない。
生きている期間も、30歳でなくなる方もいれば、
100歳でなくなる方もいる。それを予想することはできない。
そして、人それぞれが、使命を全うする必要もない。
むしろ自身の使命を全うしたら、
また次の使命を見つけて生き続けなければいけない。
そんな世界が本当に幸せとよべるのか?
読んでいて、ふと、そんなことを考えてしまった。
すごいネガティブな考え方ではあるけど。
まぁ、そもそも、
生きる目的も使命も別に見つけ出さなくても、
生きてくことはできるのだろうけど・・・。