成長し、砂漠(社会)へと旅立つ・・・『砂漠:伊坂 幸太郎』を読んだ
思い出は作るものじゃなくて、勝手に、なるものなんだよ。
いつの間にか気づいたら思い出になってる、そういうものだよ
久々に伊坂幸太郎の作品を読んだ。
「砂漠」
社会という砂漠にでる前の、
大学生の青春ストーリー。
読み終えて、
ふと、引用部分を見ると、
文中ででてくるキックボクシングの取材先が昔自分が
かよっていたキックボクシングジムだったw
たぶん、三郷のほうだろうけど。
キックボクシングの描画はなんか懐かしかったなぁ・・。
もうあんな動けないな・・。
内容で面白いなぁと思ったのは、
引用もと。
クラッシュとかラモーンズから、
フレーズを引用してくる小説はあんまりないよね。
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クラッシュ:
おまえたちは支配されてるのか?
それとも命令してんのか?
おまえたちは前進してんのか?
それとも後退してんのか?
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ラモーンズ:
We accept you. One of us.
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そして、個性のあるキャラクター。
主人公は、結構普通で、
ラモーンズ、クラッシュ好きの西嶋くんの印象が強い。
このキャラクターが非常に良かった。
なにかにつけて理屈をつけて、
それが論理だってたりなかったり。
彼の放つフレーズの一つ一つが面白かった。
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歴史なんて糞食らえですよ
目の前の機器を救えばいいじゃないですか。
今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、
明日、世界を救えるわけがないんですよ。
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青春の中の輝きを通して、
人は成長していき、砂漠(社会)へと旅立つことになる。
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人間とは、自分とは関係のない不幸な出来事にくよくよすることですよ
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思い出は作るものじゃなくて、勝手に、なるものなんだよ。
いつの間にか気づいたら思い出になってる、そういうものだよ
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そんな大人になる前の輝きを、
垣間見ることができる。そんな本でした。
文中の中で時々、
でてきたサン=テグジュペリの「人間の土地」は近々読んでみたいと思う。