他人の不幸は、自分の幸福? 「朝採りの思考:外山 滋比古」を読んだ。
人間の価値は、知力と努力と心の3つの相乗効果であると思います。
思考の整理学の著者が日々感じたことのエッセイ集。
いろいろと読んでいて気づくことも多く、面白かった。
たとえば、これ。
他人の幸福によって幸福を感じない人はいない
気の毒な人の話をきくと、身につまされる、同情するという。
いかにも心優しそうだが、かならずしもそうではない。
実は、相手に対して優越感をいだくことができるから同情で
そのお返しをするというわけである。
他人の不幸は蜜の味とは、いったもので
人間はひとの不幸を踏み台に生きるようだ。
これは自分にも身に覚えがある。
たしかに、大きな声では言えないが、
人の不幸には、それをバネに自身を動かす力が
あるように感じている。
たとえば、
誰かがタバコをすっていて、肺がんになってなくなった。
となれば、それは当人の家族にしてみれば不幸だけど、
離れた人間からすれば、教訓のひとつになる。
こういった、なんとなく心で感じているけど、
あまり人には言えないこと。
そんなことが実際に他人も感じているとわかるとなんだか安心する。
あとは、本書のなかには、
生きる上でのヒントになりそうな話もいくつかあった。
意思と想像力が争えば必ず想像力が勝つ
自慢がおもしろくないのは、きく人に出る幕がないからである。
人の死は、あとに残る親しきものに、生きる力を与えるものではないかと考える。
知っていれば、なにかに応用できそうだ。
このような、知っていると便利そうなこと。
が本書の中には、いろいろと詰まっているように感じた。
頭の良い子ほど良く笑う、早く笑うようになる子ほど頭が良い
性格は他人からみた人間の特性である。
朝は考え/昼ははたらき/夕べに食し/夜は寝る(べし)